コーヒー豆とお湯の量について

今回は、コーヒーの変動要素の中で、コーヒー豆の使用量とお湯の使用量についてお伝えしていきます。

これは、ブリュー率と言われるもので、コーヒー豆を1として、どれぐらいの比率のお湯を使うかということです。
絶対にこれが良いという比率はありませんが、おすすめを書いていきたいと思います。

まず、私の場合はコーヒー豆の焼き具合によってブリュー率を変えています。

深煎りと言われる、よく焼かれている、黒っぽいコーヒー豆の場合は、お湯を多く使用してしまうとボリュームがなくなり、単純に薄いコーヒーに感じてしまうかと思います。(アメリカンがお好きな方は多く使用しても良いかと思います。)
逆に、浅煎りと言われる、焼き具合が軽く、黄土色や明るい茶色いコーヒー豆を使用する場合は、少しお湯の量を多めにすると、その豆の特徴やフレーバーが引き立つのでおすすめです。

具体的にどれぐらいのお湯を使用するのか、深煎りと浅煎り別に書いていきたいと思います。

【深煎りの場合】
湯量:使うコーヒー豆の12~13倍のお湯を使用
20gのコーヒー豆を使用する場合、240~260mlのお湯を使用する。

深煎りの場合は、味のボリュームがしっかりとあった方が美味しいと感じる人が多いため、浅煎りの場合に比べてブリュー率は低めです。
12倍で抽出してもボリュームが足りない場合は、10~11倍を試してみても良いと思いますが、湯温が低かったりコーヒー豆の挽目が粗かったり、抽出時間が早い可能性もあります。

【浅煎りの場合】
湯量:使うコーヒー豆の15~16倍のお湯を使用
20gのコーヒー豆を使用する場合、300~320mlのお湯を使用する。

浅煎りの場合は、その豆の特徴やフレーバーをしっかりと出せる方が美味しいと思うので、比較的ブリュー率は高めです。
あまり濃く抽出すると、豆から出る成分が多くなり、より複雑な味と香りが形成されるため、フレーバーがわかりにくい、酸味の強いコーヒーになりがちです。

中煎りの場合は、14~15倍と若干浅煎りよりのレシピが私としては好きですが、全体的に好みもありますし、使うコーヒー豆や、他の変動要素によっても若干変わるところではありますので、参考程度にしていただければと思います。

コーヒーの変動要素について

コーヒーと一言で言ってもさまざまな抽出方法がありますが、今回お伝えすることはほとんど全ての抽出方法に通じる事です。
今回は全体的にざっくりとお伝えしますが、次回以降で細かい内容をお伝えしていきます。

前提として、コーヒーを淹れる技術も大切ですが、使うコーヒー豆がとても大切です。

生産国(農園)、品種、精選方法(プロセス)、焙煎、焙煎から経過した日数、コーヒー豆の管理方法等、コーヒーの味に影響するものはたくさんあります。
また、コーヒーはコーヒーチェリーというフルーツであり農作物なので、同じ農園で同じ品種のコーヒー豆を栽培していても、その年によってクオリティは変わります。
焙煎も、焙煎度合いによる味の変化もありますが、同じコーヒー豆を使用していても、どういう味にしたいという焙煎士や企業の想いによって焙煎のやり方も変わってくるので、同じ農園の同じ精選方法で同じ程度の焙煎度合いだとしても、お店によって味は変わってくるでしょう。
精選方法はあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、この辺りは今後少しずつ説明していきます。

個人的には、コーヒーの味を決める要素として、『どのコーヒー豆を使うか』が70%ほど影響するように思います。
どれだけ腕の良いバリスタが淹れるとしても、クオリティの低いコーヒー豆を使うとなると、味をマシにすることは出来たとしても、大半の人がとても美味しいと感じるコーヒーを淹れることは難しいでしょう。

次に、コーヒーを淹れる際の味の変動要素です。

①コーヒー豆の量
→厳密には、使うお湯とコーヒー豆の比率です。ブリュー率と言いますが、これによりコーヒーの濃度(味の強さ)が変わります。

②コーヒー豆の挽き目
→味の強さに影響します。抽出方法によっては抽出時間にも影響します。また、挽いた豆の粒度の均一性がとても大切です。均一であるほど綺麗な味が出ます。

③お湯の温度
→総体的な味の強さに関係します。また、使うお湯(水)の硬度によっても味に影響します。

④抽出時間
→味(苦味、酸味、甘味、えぐみや雑味等)や濃度と影響します。

⑤コーヒー豆の蒸らし
→味の出方に影響します。

一つ一つ説明すると長くなるので、詳細は次回以降で説明していきます。
以前のブログ「美味しい珈琲を淹れるコツ」でも書いていますが、もう少し細かい内容を今後書いていきたいと思います。