ドリップコーヒーの抽出は落とし切らない方が良いのか?

ドリップコーヒーをする際に、最後まで落とし切った方が良いのか、落ちる直前で抽出をやめた方が良いのか。という質問をよく受けます。

 

お店に飲みに行っても、落とし切るところと落ち切る直前でやめるところとお店によって様々だと思います。

バリスタを目指してコーヒーの勉強をしていた時も、これはやった方が良い、やらなくて良い、とどちらの意見も聞いてきましたが、実際どちらが良いのか、自分なりの考えを書いていきたいと思います。

 

結論から言うと、その豆によります

なぜ最後まで落とし切らない方が良いと言われているかというと、抽出時に上に浮くガスの中に、えぐみや雑味が含まれるため、それをサーバーに落とさないという理由で落とし切らない方が良いと言われています。

 

コーヒーの抽出時間が長くなると、えぐみや雑味が出てくるので、抽出が長くなり過ぎるのを防ぐために途中で切り上げて、お湯で濃度を調整する方法もありますが、そこは今後に詳しく書いていきます。

 

最近よく聞くようになったという方もいらっしゃるかと思いますが、スペシルティコーヒーと言われるようなクオリティの高い豆を使用した場合は、落とし切ったとしてもほとんどえぐみや雑味は感じません。

試しに最後の数滴だけ別のカップに落として飲んだこともありますが、嫌な味は感じられませんでした。

 

個人的には浅煎りよりも深煎り寄りの方が後半えぐみや雑味が出やすいかと思う(全く同じ豆での検証はしたことがありません)ので、少し値段が高い豆を使用する場合と、焼き具合が浅めの豆を使用する場合は落とし切って良いと思います。

 

普段飲んでいる豆がどうなのか気になる場合は、どちらも飲んでみたり、最後の数滴だけ取って飲んでみてもいいかもしれません。

焙煎日について

「コーヒー豆を焙煎したばかりの方が鮮度が良くて美味しい」という方もいますが、個人的には焙煎してからどれぐらい日数が経ったのかというのは味に直結するかなり大事なポイントだと思っています。

 

一般的に焙煎から置いておく期間のことをエイジングといいます。

エイジングの日数は、焼き具合によっても変わりますが、浅煎り〜中浅煎り程度で10~14日程度、中深煎り〜深煎り程度で5はあった方が良いかと思います。

スペシャルティコーヒー専門店のお店によっては、3週間目からお店で出しているというのも聞いたことがあります。

 

なぜ焙煎したばかりのコーヒーよりエイジングをした方が良いのかという理由としては、焼いたばかりのコーヒー豆には、焙煎時に発生する「ガス」が多く含まれます。

このガスを吸った状態で抽出をするとガスが邪魔をして、味が出にくい、香りがわかりにくい、ロースト臭や嫌な苦味が感じる、舌にピリピリ感が出たり、スパイス感を感じたりするということが起きます。

 

そこからガスが抜けていくと、味がクリアになっていき、尖った苦味や香りが抜けて甘味が感じやすくなったり、その豆本来の味が分かりやすくなったりしていきます。

 

なかなか家庭で焙煎日の管理をするのは大変かと思いますが、お店でコーヒー豆を買う際などに、その豆はいつが1番美味しいのか聞いて試してみても面白いかもしれません。