前回の投稿では、ドリッパーを選ぶ際の素材について説明しましたが、今回は形についてです。
形についてもさまざまなものありますが、大きく分けると3パターンかと思います。
①円錐形、②フラットボトム、③台形
代表的なものとしては、①HARIO V-60 、②カリタウェーブ、③メリタドリッパーがあります。
形によって変わってくる要素としては、コーヒー豆がお湯に浸かっている時間の違いによる収率(味の出方)です。
ドリッパーの内側にあるリブや穴の大きさ、穴の数によっても変わりますが、お湯が抜ける時間に影響します。
リブと穴についてはなんとなくイメージできるかと思いますが、リブが多かったり、溝が深いものはお湯が抜けやすく、穴が大きい方がお湯が抜けやすいです。
形の違いについては、収率(%EXT)がわかるとわかりやすいかと思いますが、説明すると長くなるので、ここからは収率という言葉を使わずに説明していきます。
まず、①円錐形についてですが、ドリッパーの形状的に、ドリッパー内の下の方にある粉にはお湯が浸りっぱなしの状態に対して、ドリッパーの上の方にある粉は、お湯に浸ってる時間が短くなります。これによって、味が出る順番(酸味→甘み→苦味)で考えると、上部は酸味が強め、下部はバランスよく成分が出るイメージとなります。これらの理由から、比較的酸味が強く出る傾向にあり、浅煎りや、すっきりさせたい時に相性がいいです。
②カリタウェーブのドリッパーは、底面がフラットなので、コーヒー豆自体もフラットな状態で抽出されていきます。上部と下部の差があまりないので、全体的に①に比べると均一にお湯に浸ります。この理由から、出てくる成分に差が出にくく、安定した味になりやすいです。
③についてはこの中間的な出方になるかなと思います。
まとまると、①の円錐形は、すっきりしやすく、酸味を出しやすい、複雑な味わいを出せる、②のフラットボトムは、安定した味、まとまりのある味、甘さやコクを出しやすい、③の台形は、その間のような特徴になるかと思います。ただし、③は形状的に注ぎやすかったり、穴も小さく抜けが遅いので、そう言う意味では抽出が安定しやすいです。